圭のおしゃべり

けい’s diary

利用者の思いに応えることが、金融機関自らの商機拡大にもつながる。

三菱UFJ信託銀行リテール企画推進部の小谷亨一担当部長も幾度となく、相続人への説明に出向いてきた一人だ。
ただ説明中に修羅場に出くわすケースは少なくなかった。
孫の養育費を出してもらっていたのに相続額が同じなのは納得できない。
1人が不満をぶちまけると我慢していたが私も言わせてもらうと収拾がつかなくなることも珍しくない。
ましてや遺言書がなければ、どのような財産を持っていたか調べるところから始めなければならない。
仕切り役もおらず家庭裁判所の調停に至る ケースも多い。
小谷氏は契約者が言ったとおりの遺言書にするのではなく、背景を探ることが重要と指摘する。
遺言書を書いてから執行までの平均期間は約7年。
毎年、環境や心境が変わっていないか確認を続ける。
独身で相続人は母だけ。
将来は遺産を寄付したい、海外の年金を小切手ではなく口座振り込みで受け取りたい――。
三井住友信託銀行の店舗の一室には、終活を巡るよろず相談を、無料で受けられる場所がある。
相談を受けるのは財務コンサルタント
同行の全国の支店に約250人いる。
内容が予想できない。
最初の対面は今でも緊張する。
10年超続けてきたベテランの後藤真二さんは話す。
相談内容は相続から墓の悩みまで幅広い。
1回の面談にかかる時間は約1 時間半。
大企業の役員から相談を受けることも多い。
会社には信託銀の法人営業の担当者がついているが家族にまつわる悩みは別物。
誰にも話せなかった悩みを抱え込んできた相談者が、後藤さんの前で涙を流すことも珍しくない。
人の死後までも預かる終活金融。
せめて財産は生かしたいという利用者の思いに応えることが、金融機関自らの商機拡大にもつながる。